ワインを飲む楽しみのひとつが「料理との相性(ペアリング)」です。
初心者の頃は「赤は肉、白は魚」というシンプルな法則で十分ですが、中級者になるとそれだけでは物足りなく感じるはず。ワインの味わいを引き立てる料理、料理をより一層おいしくするワイン。その両方を理解できるようになると、家庭での食事や外食の体験が格段に豊かになります。
今回は、品種ごと・スタイルごとにおすすめのペアリングの考え方 をご紹介します。

くろねこ
ワンランク上のペアリングを紹介していくよ!ぜひお家でやってみてね。
1. ペアリングの基本3ルール
まずは「難しく考えない」ための基本ルールを整理しておきましょう。
- 色合わせの法則
- 赤ワイン=赤身肉や濃い味の料理
- 白ワイン=魚介や淡白な料理
- 重さを揃える
- 軽やかなワインには軽やかな料理を
- ボリュームのあるワインには濃厚な料理を
- 共通点を探す
- ワインの香りや風味と、料理の素材やソースに共通点があると相性がよい
この3つを頭に入れておくだけで、ペアリングの「外れ」はぐっと減ります。

くろねこ
共通点は同じ系統の香りや味わいがあるとか、同じ地域で採れた食材とかのことだね。海の側にあるワイナリーで作られたワインはシーフードとの相性が良い、なんてことも多いよ!
2. 白ワインと料理のペアリング例
シャルドネ
- ブルゴーニュ産:ミネラル感と樽香 → 鶏のクリーム煮、ホタテのバターソテー
- カリフォルニア産:濃厚でトロピカル → ロブスターのグリル、クリーミーパスタ
- チリ産:バランス型 → サーモンのムニエル、ポークソテー
ソーヴィニヨン・ブラン
- ロワール:青草の香り、酸味 → 山羊のチーズ、ハーブを使った魚料理
- ニュージーランド:トロピカルでジューシー → エスニック料理(タイ風サラダ、グリーンカレー)
- ボルドー:厚みのあるスタイル → 魚介のリゾット、シーフードパスタ
トロンテス
- アルゼンチン:華やかでアロマティック → セビーチェ、スパイスを効かせた白身魚料理
- スペイン:爽やかで軽快 → タパス、イカのフリット
リースリング
- ドイツ(モーゼル):華やかな酸と甘み → 寿司、アジア料理(スパイシー系)
- アルザス:ミネラルとドライ感 → シュークルート、白身魚のグリル
ピノ・グリージョ(ピノ・グリ)
- イタリア(ヴェネト):軽やかでフレッシュ → カプレーゼ、シーフードサラダ
- フランス(アルザス):厚みがあり芳醇 → クリームソースのパスタ、ローストチキン

くろねこ
同じぶどうでも土地や醸造方法次第で全く別の味わいに仕上がるのもワインの魅力のひとつだったよね!
3. 赤ワインと料理のペアリング例
シラー
- オーストラリア:濃厚でスパイシー → ステーキ、ジビエ料理
- シチリア:果実味が豊かで軽やか → ピザ、トマトソースのパスタ
カベルネ・ソーヴィニヨン
- ボルドー:タンニンと酸がしっかり → 羊肉のロースト、牛の赤ワイン煮込み
- カリフォルニア:リッチでまろやか → バーベキュー、ハンバーガー
ジンファンデル
- イタリア(プーリアのプリミティーヴォ):素朴でスパイシー → トマト煮込み、ラザニア
- カリフォルニア:ジャムのように濃厚 → バーベキューリブ、チョコレートケーキ
ピノ・ノワール
- ブルゴーニュ:繊細でエレガント → 鴨のロースト、茸のリゾット
- オレゴン:果実味が鮮やかで柔らか → 鶏肉のソテー、ツナのたたき
ネッビオーロ
- イタリア(ピエモンテ):力強いタンニンと酸 → 牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、トリュフ料理
- ランゲ地方の若いタイプ:軽めでフルーティ → 生ハム、ミートソースパスタ
サンジョヴェーゼ
- キャンティ(トスカーナ):酸味とチェリーの香り → トマトソースパスタ、ピザ・マルゲリータ
- ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ:熟成感と力強さ → 牛肉のタリアータ、熟成チーズ
4. ペアリングの応用:地域合わせ
もうひとつおすすめの方法は「地域で合わせる」こと。
ワインと料理が同じ土地から生まれている場合、自然と調和することが多いのです。
- フランス・アルザスのリースリング × シュークルート(ソーセージとザワークラウト)
- スペインのテンプラニーリョ × イベリコ豚の生ハム
- イタリア・トスカーナのサンジョヴェーゼ × トマト系パスタ
この「地元同士の組み合わせ」は、旅行気分を味わえるペアリングとしてもおすすめです。

しろねこ
からすみのパスタとサルデーニャの白を合わせれば一気に海辺のレストランよ。夏にぴったりね!
5. 家飲みで試したいペアリングの工夫
- コンビニフードと合わせる
例:フライドチキン × シャンパーニュ、ポテトチップス × シャルドネ - チーズと合わせる
ワインとチーズは王道。カマンベールにはピノ・ノワール、ブルーチーズには甘口ワインを。 - スイーツと合わせる
チョコレートケーキには赤ワイン(カベルネやジンファンデル)、タルトにはモスカート。
まとめ
ワインと料理のペアリングは「正解がひとつではない」世界です。
だからこそ、自分の舌で試しながら「この組み合わせが好き!」という発見を重ねるのが楽しいポイント。
中級者にとって大切なのは、ルールを覚えること以上に 自分なりの体験を積み重ねること です。
ぜひ日々の食事にワインを取り入れて、テーブルをより豊かに彩ってみてくださいね。
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