ボルドーワインを選ぶとき、最も重要な手がかりになるのが「ラベル」です。
しかし、フランス語でびっしりと書かれているため「どこを見ればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は実際のボトルラベル(レザレ・ド・カントメルル:Les Allées de Cantemerle 2009)をもとに、主要な要素をひとつずつ解説していきます。

実際のラベルを見ながらひとつひとつの情報を確認していこうね!
ラベルに書かれた情報を読み解く

レザレ・ド・カントメルルのラベルには、以下のような要素が確認できますね。
① GRAND VIN DE BORDEAUX
直訳すると「ボルドーの偉大なワイン」。
ボルドー産ワインであることを示す一般的な表記で、品質保証マークというよりは「伝統的な格式」を表すキャッチコピーのようなものです。
② Les Allées de Cantemerle
これはワインの名前。
「シャトー・カントメルル」が造る セカンドワイン の名称です。
- シャトー・カントメルル(Château Cantemerle) は、1855年メドック格付けで5級に選ばれた有名シャトー。
- 「Les Allées(並木道)」は、シャトーへ続く美しい並木を意味しています。
- つまり「カントメルル城の並木道」という情景を名前に込めており、格式あるシャトーのセカンドワインであることがわかります。

同じシャトーのワインは、ファーストラベルと関連のある名前が付いていることも多いんだぞ!
③ Haut-Médoc(オー・メドック)
これは アペラシオン(AOC) を示しています。
「オー・メドックAOC」はボルドー左岸に広がる広域アペラシオンで、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインが多い地域です。
この表記を見れば「左岸・力強いカベルネ系の赤」というイメージを持つことができます。

左岸はカベルネ・ソーヴィニヨン主体、右岸はメルロー主体が基本だったよね!
④ 2009
ヴィンテージ(収穫年)。
このワインのブドウが収穫された年を示しています。
2009年はボルドーの「当たり年」とされ、熟成ポテンシャルの高いワインが多く生まれました。

最近でのボルドーの当たり年と言われるのは2000年、2005年、2009年、2010年、2015年、2016年、2018年だぞ!
2016年は特に左岸の出来栄えが良かったと言われているんだ。レザレド・ド・カントメルルみたいにお手頃でポテンシャルのあるワインに出会ったときは手に入れておくと良いよ!
⑤ Château Cantemerle – Macau – Médoc – France
ここには生産者と所在地が記されています。
- Château Cantemerle(シャトー名)
- Macau(村の名前、メドック地区内の地名)
- Médoc – France(産地と国名)
つまり「フランス・メドック地区マコー村にあるシャトー・カントメルルが生産したワイン」ということが、ここからわかります。
ラベルから読み取れること(まとめ)
このラベルを読むと、以下の情報が整理できます。
- 産地:フランス・ボルドー地方・オー・メドックAOC
- 生産者:シャトー・カントメルル(格付け5級)
- ワイン名:レ・アレ・ド・カントメルル(セカンドワイン)
- ヴィンテージ:2009年
- タイプ:赤ワイン(カベルネ主体、力強く熟成向き)
つまり、この一本は「格式ある格付けシャトーが造るセカンドワインで、2009年の良年に収穫されたオー・メドックの赤ワイン」と理解できるわけです。

濃厚なベリー系の香りと樽のような香りが印象的で、酸と渋みの両方をしっかりと備えた、お手本とも言えるワインだよ!
ボルドー左岸の味わいを学ぶのにぴったりだと思うな。
熟成型で堅固な作りのワインだから、飲む一時間くらい前には抜栓しておくと良いよ。
ボルドーワインラベルのチェックポイント
どのボルドーワインでも、ラベルを読むときは以下を意識するとスムーズです。
- シャトー名 → 生産者のブランド力を知る
- アペラシオン(AOC) → 地域特性を把握する
- ヴィンテージ → 収穫年の良し悪しを判断する
- 格付け表記(Cru Classéなど) → 歴史的評価を確認する
- 補足表記 → Mis en Bouteille au Château(シャトー元詰め)など品質保証
この流れでチェックすれば、どんなラベルも読み解けるようになります。

あくまでこれはボルドーのワインのラベルの見方だぞ!
産地が変われば記載されている情報や書き方に違いが出てくるから、焦らずにまずはボルドーのラベルを読み解けるようになろうね!
まとめ
今回は実際のラベル(Les Allées de Cantemerle 2009)を例に、ボルドーワインラベルの読み方を解説しました。
- ワイン名からシャトーやシリーズを把握
- AOCから地域特性を理解
- ヴィンテージで熟成や品質の目安を知る
ラベルを読めるようになると、ワインショップでの買い物やレストランでのオーダーがぐっと楽しくなります。
次回(第5回)は「自分に合ったボルドーワインを選ぶコツ」をテーマに、実際に買うときのポイントやおすすめ銘柄を紹介します。
コメント