ブルゴーニュワインの世界を知るうえで欠かせない存在が ネゴシアン(Négociant ) です。
ワインショップやレストランで「ルイ・ジャド」「ジョセフ・ドルーアン」といった名前を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回はブルゴーニュワイン番外編として、ネゴシアンが何を指しているのか、また、有名なネゴシアンとその代表的なワインにはどんな物があるのかをまとめてみました。

くろねこ
ネゴシアンを理解しておくとブルゴーニュワインの学びがぐっと深くなるよ!
ワイン選びも変わってくるから、ぜひ見ていってね!
ネゴシアンとは?
ブルゴーニュは畑が細かく分かれ、家族経営の小規模生産者が多い地域です。そうした中で、ネゴシアンは農家からブドウやワインを仕入れて、自社で醸造・熟成・瓶詰を行い、安定した品質で市場に届けてきました。つまり、畑を持たないワイン生産者なのです。
- メリット:生産者や畑の小さな違いに左右されず、幅広いAOCを揃えられる
- 特徴:ラインナップが豊富で、初心者でも選びやすい
- 近年の傾向:多くのネゴシアンは自社畑も所有し、ドメーヌとしての顔も持つ
初心者にとっては「ネゴシアンのワインを選ぶ」ことが、ブルゴーニュワインの入り口として非常におすすめです。

シャムねこ
ネゴシアンたちは独自のブレンド技術によって安定した品質のワインを生産し続けているんだぞ!
ブルゴーニュの有名ネゴシアンと代表的ワイン
ここでは、歴史ある主要ネゴシアンと、その代表的なワインを一覧にまとめました。
ネゴシアン名 | 創業年 | 本拠地 | 特徴 | 代表的ワイン |
---|---|---|---|---|
ルイ・ジャド(Louis Jadot) | 1859年 | ボーヌ | ブルゴーニュ全域に幅広いラインナップ。安定した品質で世界的に信頼度が高い。 | Bourgogne Pinot Noir / Meursault / Gevrey-Chambertin |
ジョセフ・ドルーアン(Joseph Drouhin) | 1880年 | ボーヌ | エレガントなスタイル。ビオディナミ農法にも積極的。 | Chablis / Beaune Clos des Mouches / Chambolle-Musigny |
ブシャール・ペール・エ・フィス(Bouchard Père & Fils) | 1731年 | ボーヌ | ブルゴーニュ最大級の畑を所有。歴史的なシャトーで熟成。 | Beaune Grèves Vignes de l’Enfant Jésus / Corton-Charlemagne |
メゾン・ルロワ(Maison Leroy) | 1868年 | オーセイ=デュレス | 高品質で希少。ルロワ家はDRC経営にも関わった名門。 | Bourgogne Rouge / Vosne-Romanée / Musigny |
アルベール・ビショー(Albert Bichot) | 1831年 | ボーヌ | シャブリやコート・ドールを中心に幅広いブランドを展開。 | Chablis Domaine Long-Depaquit / Clos de Vougeot |
ルイ・ラトゥール(Louis Latour) | 1797年 | アロース=コルトン | コルトン=シャルルマーニュの最大所有者。伝統と近代化の両立。 | Corton-Charlemagne / Chambertin |
ファイエ・バトン(Faiveley) | 1825年 | ニュイ=サン=ジョルジュ | 家族経営を守る大手。力強いピノ・ノワールが特徴。 | Nuits-Saint-Georges / Clos de Vougeot / Corton |
シャンソン・ペール・エ・フィス(Chanson Père & Fils) | 1750年 | ボーヌ | 歴史ある老舗で、ブルゴーニュ全域をカバー。 | Beaune Clos des Fèves / Pernand-Vergelesses |
ルモワスネ・ペール・エ・フィス(Remoissenet Père & Fils) | 1877年 | ボーヌ | 少量生産ながら長期熟成に耐えるワインを生産。 | Gevrey-Chambertin / Puligny-Montrachet |
アントナン・ロデ(Antonin Rodet) | 1875年 | メルキュレイ | コート・シャロネーズに強みを持つ。 | Mercurey / Rully / Montagny |
ネゴシアンから始めるブルゴーニュワイン
- 安心感重視なら:ルイ・ジャド、ジョセフ・ドルーアン
- 高級志向なら:メゾン・ルロワ、ブシャール・ペール・エ・フィス
- コスパと発掘なら:アントナン・ロデやアルベール・ビショー
ブルゴーニュの入り口としては「ルイ・ジャドのブルゴーニュ・ピノ・ノワール」などの広域AOCがおすすめです。手に取りやすい価格で、ブルゴーニュらしさを体感できます。

くろねこ
ルイ・ジャドはラベルに描かれた「ワインの神バッカス」の絵柄が印象的だよ!
まとめ
ネゴシアンは、ブルゴーニュワインを世界に広めるうえで欠かせない存在です。
- 多様なラインナップで初心者にやさしい
- 歴史と信頼性があり、安心して選べる
- それぞれのメゾンに個性があり、好みに応じて選択可能
「どのネゴシアンのワインを選ぶか」を知ることで、ブルゴーニュワイン選びがぐっと楽しく、安心感のあるものになります。
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