イタリア半島の“ブーツのかかと”から“つま先”、
そして地中海に浮かぶ美しい島々まで――。
南イタリアは、陽光に満ちた土地と人々の温かさが生み出す、
情熱的で生命力あふれるワインの宝庫です。
かつては「安ワインの産地」と見なされていた時代もありましたが、
近年は品質が飛躍的に向上し、世界のワインシーンで再評価が進んでいます。
今回は、そんな南イタリアと島々の個性豊かなワインを巡っていきましょう。

イタリア南部のワインはどことなく潮風を感じさせるようなワインが多いんだ!
南部ならではの親しみやすいタイプも魅力的だよ。
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☀️ 南イタリアの特徴と魅力
南イタリアは、一年を通して太陽の光が降り注ぐ温暖な気候。
ブドウはしっかりと熟し、糖度の高い果実味豊かなワインが多く生まれます。
特徴としては、
- 濃厚でジューシーな果実味
- タンニンが柔らかく飲みやすい
- スパイス感やハーブの香りが感じられる
といった点が挙げられます。
北部のエレガントさとは対照的に、
南部は「陽気で力強いワイン」が多いのが魅力です。

まさに、日の高いうちからワインで乾杯!というイメージがぴったりなワインたちがたくさん作られているよ。
🍇 シチリア州 ― 地中海最大の島が生む、多彩なワイン
イタリア最大の島 シチリア(Sicilia) は、
古代から“ワインの十字路”と呼ばれてきました。
ギリシャ、アラブ、スペインなど多くの文化が交わり、
その影響はブドウ栽培や食文化にも色濃く残っています。
● ネロ・ダーヴォラ ― シチリアの代名詞
シチリアを代表する赤ワイン用品種が ネロ・ダーヴォラ(Nero d’Avola)。
「アーヴォラの黒」という意味を持ち、
黒系果実の濃厚な香りとスパイス、ほのかな甘みを感じさせます。
力強くもなめらかな飲み口で、バーベキューやトマト系料理にもよく合います。
近年は洗練されたスタイルのネロ・ダーヴォラも増え、
カジュアルからプレミアムまで幅広く楽しめます。

シチリアの赤ワインといえばネロ・ダーヴォラ!
現地では馬肉を食べる習慣があるから、ネロ・ダーヴォラの赤ワインと一緒に楽しまれているそうよ。
● エトナ ― 火山が育てるミネラルのワイン
シチリア東部、活火山エトナ山の斜面では、
標高の高さと火山灰土壌を活かした個性的なワインが造られています。
赤では ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese)、
白では カッリカンテ(Carricante) が主流。
どちらも冷涼感とミネラル感が際立ち、
北イタリアのような繊細さを併せ持ちます。
「南のブルゴーニュ」と称されるほど注目を集めるエリアです。
🌿 プーリア州 ― “ブーツのかかと”が誇る太陽のワイン
イタリア半島のかかと部分に位置する プーリア(Puglia) は、
国内でも有数のブドウ生産量を誇る地域。
乾燥した気候と石灰質土壌が、力強いブドウを育てます。
● プリミティーヴォ ― 甘く力強い果実味
プーリアの代表格は プリミティーヴォ(Primitivo)。
その名は「早熟」を意味し、糖度が高くアルコール度数も高めです。
アメリカでは「ジンファンデル」として知られ、
濃厚なベリーの香りとまろやかなタンニンが特徴。
まさに“陽光を閉じ込めたような赤ワイン”です。

まさに「ぶどう酒」という言葉がぴったりなプリミティーヴォ。
気取らずに飲めて、日常のテーブルにぴったりな1本だよ!
● ネグロアマーロ ― 大地を感じる深み
もうひとつの主要品種が ネグロアマーロ(Negroamaro)。
名前の通り「黒くて苦い」ブドウで、
力強さとほのかな苦味が料理を引き立てます。
トマトソースやスパイシーな料理との相性が抜群で、
地中海の食卓にぴったりの1本です。
🌋 カンパーニア州 ― 古代ローマが愛したワインの故郷
ナポリを中心とした カンパーニア(Campania) は、
古代ローマ時代からワイン造りが行われてきた由緒ある土地。
南部の中でも標高差が大きく、火山性土壌が多いため、
ミネラル感と複雑さを兼ね備えたワインが多く生まれます。
● タウラージ ― “南のバローロ”と呼ばれる赤
カンパーニアを代表する赤ワインが タウラージ(Taurasi)。
ブドウ品種は アリアニコ(Aglianico)。
濃厚な果実味に加え、スパイスや煙草の香りが複雑に重なります。
長期熟成にも耐え、重厚感はまるで北イタリアのバローロのよう。
「南の王」と称される所以です。
● フィアーノとグレーコ ― 芳醇な白ワイン
カンパーニアは白ワインも実力派。
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ(Fiano di Avellino) や
グレーコ・ディ・トゥーフォ(Greco di Tufo) はDOCGに認定されています。
どちらも華やかな香りとしっかりした酸味をもち、
魚介料理やリゾットとの相性が抜群です。
🏝 サルデーニャ州 ― 独自の文化が生んだ孤高の味わい
地中海のほぼ中央に浮かぶ サルデーニャ(Sardegna)。
本土から離れた島ならではの独特の文化と気候が、
個性的なワインを生み出しています。
● カンノナウ ― 力強くも優しい赤
サルデーニャを代表する赤ワインが カンノナウ(Cannonau)。
スペインのガルナッチャ(グルナッシュ)と同種で、
完熟した果実の甘やかさと柔らかいタンニンが魅力です。
ポリフェノール含有量が高く、「長寿の島の秘密」として注目されることも。
● ヴェルメンティーノ ― 海風を感じる白
白ワインでは ヴェルメンティーノ(Vermentino) が人気。
潮風を思わせる塩味とハーブ香があり、
魚介パスタやシーフードにぴったりの爽やかさです。

ヴェルメンティーノは南イタリアらしい白ワインの代表格!
見つけたらぜひためしてみてね。
🍝 南イタリアワインと料理の相性
南イタリアの料理は、トマト、オリーブオイル、ハーブ、魚介――。
素材の味を活かした力強い味わいが特徴です。
そのため、果実味豊かな南部ワインが料理に自然と寄り添います。
- ネロ・ダーヴォラ × トマトソースのパスタ
- プリミティーヴォ × グリルしたラムやチーズ
- タウラージ × ステーキや煮込み料理
- ヴェルメンティーノ × 魚介のフリットやレモン風味の料理
どの組み合わせも、南の太陽を感じるような明るさと満足感をもたらします。
🌞 まとめ:南の情熱をグラスに映して
南イタリアと島のワインは、
自由で、豊かで、心を解き放つ味わいにあふれています。
北の繊細さとは対照的に、
南のワインは人懐っこく、飲む人を笑顔にする力があります。
気取らず楽しめるデイリーワインから、
堂々とした熟成型の赤まで。
その幅広さこそ、南イタリアの底力です。
次にワインを選ぶとき、
ぜひ「南の風」を感じる1本を手に取ってみてください。



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