はじめに
ワイン選びに慣れてきた方が必ず直面するのが「ラベルの読み解き」です。
「たくさん書いてあるけど、どこを見ればいいの?」と戸惑う方も多いでしょう。実は、ラベルには そのワインの「身分証明書」 ともいえる情報が詰まっています。
今回は初心者編で触れなかった 格付けの仕組み や ヴィンテージの意味 に踏み込み、さらに実際の記載例を交えながら「失敗しない選び方」のコツを解説します。

まずは基本のラベルの読み解き方を知ろうね!
1. 格付けは「ワインの保証書」
ワインのラベルには、そのワインがどのような規定やルールのもとで造られたかを示す「格付け」表記があります。格付けは産地や国ごとに仕組みが異なりますが、共通するのは 品質保証の役割 です。

格付けは「ワイン法」と呼ばれるワイン生産者を守るための法律に基づいて定められているよ。ワイン法がなかったときは偽物ワインが横行して優良なワイン生産者がとても困っていたんだ。
フランス:AOC(Appellation d’Origine Contrôlée)
- 「原産地統制名称」と訳される制度。
- どの地域で、どのブドウ品種を使い、どんな方法で造るかが厳格に規定されています。
- 例:「AOC Bourgogne」ならブルゴーニュ地方の規定に従ったワイン。
- AOCの下に「Vin de Pays(地酒)」や「Vin de Table(テーブルワイン)」といったカテゴリーもあります。
イタリア:DOC / DOCG
- DOC(Denominazione di Origine Controllata):原産地統制呼称
- DOCG(Garantita):保証付き統制呼称で、DOCよりさらに厳しい基準。
- 例:「Chianti Classico DOCG」→キャンティ地方の伝統的中心地で造られた保証付きワイン。

DOCGのワインはコルクとボトルネックの境目に紙が巻いてあることもあるよ!
スペイン:DO / DOCa
- DO(Denominación de Origen):原産地呼称
- DOCa(Calificada):特に優れたDOにのみ与えられる上位格付け(例:リオハ、プリオラート)。
アメリカ:AVA(American Viticultural Area)
- 地理的なブドウ栽培地域を示す制度。
- フランスのAOCのように品種や製法の制限は少なく、ラベルの「AVA」は 産地の目印 として捉えるとよいでしょう。
- 例:「Napa Valley AVA」→カリフォルニアのナパ産。

格付けは「絶対に美味しい保証」ではないけれど、その土地の特徴をきちんと反映したワインである証明なんだよ。迷ったときは格付け表示を目安にするのがおすすめ!
2. ヴィンテージの意味と価値
ラベルでよく見かける「2005」「2018」といった年号。これは そのワインに使われたブドウが収穫された年=ヴィンテージ を示します。
ヴィンテージが重要な理由
- ブドウは農作物なので、天候や収穫年によって味わいが大きく変わります。
- 例えば「冷涼な年」には酸が際立ち、「暑い年」には糖度が高くリッチな味わいに。
- 不作の年やワインが少量しか生産されなかった年は希少価値が加わる
ヴィンテージが価値を左右する例
- ボルドーの2000年、2005年、2009年は「グレートヴィンテージ」と呼ばれ、市場価格も高騰。
- 一方で、カジュアルなデイリーワインではヴィンテージ差はそこまで大きくなく、新しい年のものをフレッシュに楽しむのが正解です。

若いヴィンテージは果実味中心で飲みやすいものが多いよ!
- 「グレートヴィンテージ」のように当たり年のワインはプレミア価格がつくことも。
- 熟成向きヴィンテージは数年寝かせることで真価を発揮。
👉 「長期熟成タイプ」か「早飲みタイプ」かを見極めることがポイント。ラベルだけでは判断しづらいときは、店員やソムリエに「このヴィンテージは飲み頃ですか?」と尋ねてみるのも◎。

長期熟成に耐えられるワインはある程度産地やぶどう品種が限られてくるわ。有名どころではボルドーやブルゴーニュ、ロワール地方などね。イタリアではトスカーナやピエモンテ、アメリカではカリフォルニアが中心よ。覚えておいてね!
3. 格付けとヴィンテージのまとめ
- フランス:AOC(原産地統制呼称)、EUの統一規格での呼称はAOP。ブルゴーニュやボルドーなどに多く、格付けを取得しているワインのラベルに必ず記載。
- イタリア:DOC、DOCG(統制保証原産地呼称)。トスカーナやピエモンテなど伝統的産地に多い。
- スペイン:DO、DOCa(特選原産地呼称)。リオハやプリオラートがDOCa格付け。
- アメリカ:AVA(American Viticultural Area)。ナパヴァレーやソノマなど。
- チリ/アルゼンチン:法的格付けは緩やかだが、産地表記が信頼の証。
- ヴィンテージ:格付けワインには記載義務がある。デイリーワインでは記載がないものもある。
- 当たり年ワイン:ぶどうの出来が特に良い年のワインを指す。プレミアム価格がつくことが多い。

デイリーワインの価格帯のワインの中にも、格付けを取得しているものがあるわよ。
4. ラベルを見れば失敗しない!3つのチェックポイント
- 産地名・格付け → 信頼度の目安
- 品種名 → 味わいを想像するヒント
- ヴィンテージ → 若々しいのか、熟成タイプなのか

まずはこの3つのポイントをおさえてワインを選んでみよう!必ず格付けワインを選ばなければいけないということではないからね。
格付けの基準に入らないだけで、こだわりを持って作られている美味しいワインは星の数ほどもあるんだ。そのこだわりゆえに格付に届かないというケースもあるしね、、、
まとめ
ワインラベルは「ワインの履歴書」。格付けやヴィンテージを理解すれば、選ぶ基準がぐっと明確になります。次にショップでラベルを手に取ったとき、ぜひ 「どの産地? どの格付け? 何年?」 を確認してみてください。きっと自分で選べる自信につながるはずです。
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