ボルドーワイン完全ガイド 第5回:実践編|自分に合ったボルドーワインを選ぶコツ

ボルドー

ここまで、ボルドーワインの歴史や地域ごとの特徴、格付けの仕組み、ラベルの読み方を解説してきました。
知識を深めたあとは、いよいよ「実際にワインを選ぶ段階」です。

しかし、ボルドーには7,000以上のシャトーがあり、ラベルも複雑。
「どれを選んだらいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、ワインショップやオンラインストアで役立つ 実践的な選び方のコツ をご紹介します。

くろねこ
くろねこ

ここまで学んだことを活かして、ボルドーワインを上手に選んでね!

自信を持つことが大切だよ!

しろねこ
しろねこ

最初は誰もがワイン初心者だったのよ。たくさん経験して飲んで学んで、少しずつワイン選びが上達していく過程も楽しむことが大事ね!


1. まずは「左岸」か「右岸」かを意識する

ボルドーワインを理解する最初の分かれ道は、やはり 左岸と右岸
それぞれの味わいの傾向をざっくりと覚えておくと、自分好みを見つけやすくなります。

  • 左岸(メドック、グラーヴなど)
     主にカベルネ・ソーヴィニヨン主体。
     しっかりした渋みと骨格があり、長期熟成に向く。
     例:ポイヤック、マルゴー、サンジュリアン。
  • 右岸(サンテミリオン、ポムロールなど)
     メルロ主体で、柔らかくまろやかな口当たり。
     果実味が前に出やすく、比較的若いうちから楽しめる。
     例:サンテミリオン、ポムロール。
シャムねこ
シャムねこ

渋みや力強さを求めるなら左岸、やわらかさと親しみやすさを求めるなら右岸。これを基準にスタートすると迷いにくいんだぞ!


2. 格付けワインにこだわらなくてもいい

ボルドーといえば「格付けワイン(Grand Cru Classé)」が有名ですが、必ずしもそれに絞る必要はありません。

  • 格付けシャトーは確かに高品質ですが、その分価格も高騰しがち。
  • 一方で、格付けに入っていない優良シャトー(いわゆる「クリュ・ブルジョワ」や「プティ・シャトー」)の中にも、コストパフォーマンスの高いワインがたくさんあります。

たとえば、

  • 2,000〜3,000円台 → オー・メドックの「クリュ・ブルジョワ」クラスが見つかる
  • 3,000〜5,000円台 → サンテミリオンの「プティ・シャトー」も買える
  • 5,000円以上 → ものによっては格付けシャトーのセカンドワインも見つかる

といった価格帯ごとの狙い目を知っておくと、選びやすくなります。


3. セカンドワインを狙う

ボルドーの楽しみ方のひとつが 「セカンドワイン」 です。

格付けシャトーのワインは高額ですが、そのセカンドラベルなら比較的手の届きやすい価格で楽しめます。

  • 同じシャトーで造られたブドウやワインを使用
  • 熟成ポテンシャルはやや控えめ
  • 若いうちから飲みやすいスタイル

たとえば、

  • シャトー・マルゴー → パヴィヨン・ルージュ
  • シャトー・カントメルル → レ・アレ・ド・カントメルル
  • シャトー・オー・ブリオン → ル・クラレンス・ド・オー・ブリオン

など、憧れのシャトーを身近に感じられる選択肢です。

くろねこ
くろねこ

ボルドーの主要な格付けシャトーをまとめておいたから、ここからチェックしてね→ボルドーワインの主要格付け一覧


4. ヴィンテージを確認する

同じシャトーでも、収穫年(ヴィンテージ)によって味わいは大きく変わります。
一般的に、ボルドーの近年の良年は以下の通りです。

  • 1996, 2000, 2005, 2009, 2010, 2015, 2016, 2018, 2019, 2020

特に2009と2010は「黄金の二連星」とも言われ、左岸・右岸ともに高品質なワインが揃っています。
初心者はまず 2015以降の若いヴィンテージ を選ぶと、果実味が豊かで飲みやすい傾向があります。


5. ラベルのキーワードを押さえる

前回の記事でも紹介しましたが、ラベルにある以下の表記は要チェックです。

  • Mis en Bouteille au Château:シャトー元詰め。品質管理が徹底されている。
  • Cru Bourgeois(クリュ・ブルジョワ):格付け外でも優良と認定されたシャトー。
  • Grand Cru Classé:格付けワイン。伝統と格式を示す。
  • AOC表記(例:Haut-Médoc, Saint-Émilion, Pomerol):地域による味わいの特徴を把握できる。


6. シチュエーションで選ぶ

最後に、シーンごとにおすすめのスタイルを整理してみましょう。

  • 日常の食卓に気軽に合わせたい
     → 2,000〜3,000円台のオー・メドックやボルドー・シュペリュール
  • ホームパーティーやちょっとしたおもてなしに
     → 3,000〜5,000円台のサンテミリオンやポムロールのプティ・シャトー
  • 特別な日の一本に
     → 格付けシャトーのセカンドワイン、または2009/2010年の良年ヴィンテージ
  • ワインラバー同士でじっくり楽しむ
     → 格付け1級〜3級のメドックワイン、10年以上熟成させた右岸の名門ワイン


まとめ

ボルドーワインを選ぶときのポイントは次の通りです。

  1. 左岸=力強い/右岸=やわらかい、を意識する
  2. 格付けにこだわらず、クリュ・ブルジョワやプティ・シャトーを狙う
  3. 憧れのシャトーはセカンドワインで試す
  4. ヴィンテージで品質や飲み頃を見極める
  5. ラベルのキーワードを押さえる

こうして整理すれば、数あるボルドーワインの中から「自分に合った一本」を見つけやすくなります。

次回はシリーズの最終回として、これまで学んだ内容を総復習しつつ、ボルドーワインをもっと楽しむためのまとめ記事をお届けします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました