ブルゴーニュワインの最大の魅力は、シンプルでありながら奥深いブドウ品種にあります。
赤ワインの主役は「ピノ・ノワール」、白ワインの主役は「シャルドネ」。この2品種だけで、世界のワインファンを虜にしてきました。
しかし、なぜブルゴーニュではこの2種類が中心になったのか?また、どんな味わいやスタイルの違いがあるのか?
この記事では、ブルゴーニュワインの「味わいの根幹」となる品種について、初心者にもわかりやすく解説します。

アペラシオンは細かくて複雑だけど、ぶどう品種は数が少なくてとてもシンプルなんだぞ!トップ画の写真が、まさにピノ・ノワールなんだ。
大切なのはこの品種がブルゴーニュのテロワールと合わさって「どう変化するのか」。他の産地のピノ・ノワールやシャルドネと飲み比べながら読んでもらえたらイメージが掴みやすいよ!
ピノ・ノワール|ブルゴーニュの赤ワインを代表するブドウ
繊細さの極み
ピノ・ノワールは、世界で最も繊細で栽培が難しい品種と言われます。皮が薄く、病気にも弱いため、育てるのが大変。その分、育ったブドウは土地の特徴を敏感に反映し、香りや味わいに豊かな個性を与えます。

その土地が生み出す味わいを反映しやすいということだね!ぶどうの木の樹齢が高いか低いかによっても味わいが全く違うんだぞ。
樹齢の高い木は徐々に収穫量が減っていくし、いつかは収穫できなくなってしまう。ぶどうの木の1本1本が宝物なんだぞ。
ブルゴーニュにおける味わい
ブルゴーニュのピノ・ノワールは、力強さよりも「優雅さ」「香りの複雑さ」が持ち味です。
- 若いうちはイチゴやラズベリーのような赤い果実の香り
- 熟成が進むとキノコ、腐葉土、スパイスといった深みのある香り
まるで「ワインの年輪」を感じさせる変化が、ブルゴーニュ・ピノの醍醐味です。

ルイ・ジャド、ルロワ、ルイ・ラトゥールはブルゴーニュの超有名ネゴシアン。AOCブルゴーニュなら手が届く価格のものもあるから、ぜひ試してみたいね!
食事との相性
ピノ・ノワールは、肉料理に合わせても重すぎず、魚料理とも調和する柔らかさを持っています。
- ローストチキンや鴨のコンフィ
- サーモンのグリル
- 和食なら鰹のたたきや焼き鳥(タレより塩)
「万能型の赤ワイン」として、家庭の食卓にも寄り添いやすい品種です。
シャルドネ|ブルゴーニュの白ワインを代表するブドウ
世界で最も広く愛される品種
シャルドネは、ブルゴーニュ発祥の白ブドウ。いまでは世界中で栽培されていますが、「原点はブルゴーニュ」と断言されるほど、本場の評価は高いです。
表現力の幅広さ
同じシャルドネでも、産地によってまったく表情が変わるのが魅力です。
- 北部のシャブリ:ミネラル感が際立つ、キリッとした辛口
- コート・ド・ボーヌ:果実味が豊かで、樽のニュアンスも調和
- マコネ地区:フレッシュで親しみやすく、手に取りやすい価格
まるで「一人で多役を演じる役者」のように、多彩な表現を可能にするのがシャルドネです。

コルトン・シャルルマーニュ、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、ムルソーの4つはブルゴーニュで生まれる世界最高峰のシャルドネ。
飲む機会がある猫がうらやましいんだぞ、、、
食事との相性
シャルドネは料理との組み合わせが広く、シーンを選びません。
- シャブリなら牡蠣や白身魚
- 樽熟成タイプならクリームソースの料理や鶏肉
- カジュアルなマコンならサラダや和食とも好相性
その他の品種:ガメイとアリゴテ
ブルゴーニュといえば「ピノ」と「シャルドネ」が中心ですが、実は他の品種も脇役として活躍しています。
- ガメイ
主にボジョレー地区で栽培される赤ブドウ。フレッシュで軽快な味わいが特徴で、11月の第3木曜日に解禁される「ボジョレー・ヌーヴォー」が有名です。 - アリゴテ
白ブドウの一種。軽やかで爽やかな酸味をもち、食前酒やカクテル「キール」にも使われます。
これらは日常使いのブルゴーニュワインとして、気軽に楽しむのにぴったりです。

ちなみにボジョレー・ヌーヴォーの解禁日が定められたのは1967年のこと。それまでは決まった日がなく、とにかくほかよりも早く出荷しようという生産者が増え、品質の低下が懸念されたんだぞ。
そこで、フランス政府が解禁日を11月15日に制定。その後、15日が土日や祝祭日にかかると出荷や輸送に支障が出るという理由で、1985年に第3木曜日に変更されたんだ。
ブドウ品種が生む「地域ごとの違い」
同じピノ・ノワール、シャルドネでも、畑や地域によって味が大きく変わるのがブルゴーニュの奥深さです。
- コート・ド・ニュイ(ピノ・ノワールの聖地)
力強く濃厚、長期熟成に耐える赤が中心。ロマネ・コンティもここにあります。 - コート・ド・ボーヌ(白ワインの宝庫)
世界最高峰のシャルドネを生み出す地域。モンラッシェなど特級畑が集中しています。 - マコネやシャロネーズ
コストパフォーマンスに優れ、日常的に楽しみやすい産地。初心者におすすめです。
つまり、ブルゴーニュの楽しみ方は「どの品種を、どの地域で造っているか」を知ることから始まります。
初心者におすすめの選び方
- まずはシャブリのシャルドネから
フレッシュで爽快。ブルゴーニュの白の魅力をシンプルに感じられます。 - コート・シャロネーズのピノ・ノワール
手ごろな価格で、ブルゴーニュらしい赤のエレガントさを体験できます。 - ボジョレーのガメイ
軽快でフルーティ。ワインを「難しく考えず楽しむ」きっかけにぴったり。
まとめ
ブルゴーニュの味わいを形づくるのは、わずか数種類のブドウ。
- 赤のピノ・ノワールは「繊細さ」と「熟成による変化」
- 白のシャルドネは「多彩な表現力」
- さらにガメイやアリゴテが日常に寄り添う
このシンプルな構成が、逆にブルゴーニュを奥深い世界にしています。
次回は、ブルゴーニュの「地域ごとの違い」にフォーカス。北から南までの産地を地図とともに解説し、どんな特徴があるのかを見ていきましょう。
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