スパークリングワインの「泡」はどうやって生まれる?
スパークリングワインの最大の特徴は、グラスに注いだ瞬間に立ちのぼる泡。その泡は、どのようにしてワインの中に閉じ込められているのでしょうか?
実はスパークリングワインにはいくつかの製法があり、どの方法で造られたかによって味わいやスタイルが大きく変わります。製法を理解すれば、ラベルを見ただけで「どんな味わいの泡なのか」を想像できるようになります。
今回は代表的な3つの製法を詳しく見ていきましょう。

スパークリングワインはその製法によって呼ばれ方が変わるんだぞ!
1本のスパークリングワインがどうやって生まれるのか、知っていると飲むときの気分も違ってくるから面白いよね!
※本記事にはプロモーションが含まれています。
1. トラディショナル方式(シャンパーニュ方式)
最も有名で伝統的な製法が「トラディショナル方式」。シャンパーニュ地方で確立され、現在では高級スパークリングワインの代名詞的な方法です。
工程の流れ
- ベースワインを造る
まずは通常の白ワインやロゼワインを仕込みます。これが泡のベースとなるワインです。 - リキュール・ド・ティラージュの添加
ベースワインに酵母と糖分を加えて瓶詰めします。これが瓶内で二次発酵を起こす仕掛けです。 - 瓶内二次発酵
密閉された瓶の中で酵母が糖を分解し、アルコールと二酸化炭素が発生。二酸化炭素は逃げ場を失い、ワインに溶け込みます。 - 熟成(シュール・リー)
発酵を終えた酵母は瓶底に沈殿しますが、そのまま長期間熟成させることで、香ばしいパンやブリオッシュのような香りが加わります。 - ルミュアージュ(動瓶)とデゴルジュマン(澱抜き)
瓶を少しずつ回転させて澱を瓶口に集め、最終的に凍結・排出して澱を取り除きます。 - ドサージュ(補糖)と打栓
失われた分をワインと糖分を加えたリキュールで補い、甘辛度を調整してコルクで栓をします。

高品質なシャンパーニュに現れると言われる「ブリオッシュ香」は、瓶内二次発酵からのシュール・リー製法を行わないと出てこない特別な香りなんだぞ!
ちなみに、6のドサージュで加えられるリキュールのことを「旅立ちのリキュール」と言ったりもする。ロマンチックだね!
特徴
- きめ細かい泡立ち
- 長期熟成による複雑な香り(パン、ナッツ、ブリオッシュ)
- 高級感があり、価格は高め

細かな違いはあるけど、シャンパーニュ製法で作られるスパークリングワインの代表格がフランスのシャンパーニュ、イタリアのフランチャコルタ、スペインのカヴァ(一部)なんだぞ!
2. シャルマ方式(タンク方式)
より手軽に、かつフレッシュなスパークリングワインを造るために生まれたのが「シャルマ方式(Charmat method)」です。
工程の流れ
- 大きな密閉タンクにベースワインを入れる
- 酵母と糖分を加えてタンク内で二次発酵
- 二酸化炭素が発生し、ワイン全体に行き渡る
- 発酵が終わったらフィルターで澱を取り除き、瓶詰め
特徴
- 発酵・熟成がタンクで行われるため、効率的でコストが抑えられる
- フルーティでフレッシュな香りが楽しめる
- 泡はやや粗めだが、爽快感がある
- 価格は比較的リーズナブル

イタリアの「プロセッコ」や「アスティ・スプマンテ」なんかがこの製法を取り入れているよ!
いわるゆる一般的なスパークリングワインに多い製法なんだ。日常使いのカジュアルな1本として人気が高いんだぞ。
3. 炭酸ガス注入方式
最もシンプルで工業的な方法が、ワインに直接炭酸ガスを注入する方式です。
工程の流れ
- 完成したスティルワインに、炭酸ガスを加えて泡を発生させる
特徴
- 製造コストが低く、大量生産が可能
- 泡は粗く、持続性が短い
- フレッシュさはあるが、複雑味には欠ける

炭酸飲料のように気軽に楽しめるタイプで、スーパーやコンビニでも見かけるリーズナブルなスパークリングワインの多くはこの方式を取っているんだぞ!
方式による味わいの違いまとめ
- トラディショナル方式:繊細で複雑、長期熟成型、高級志向
- シャルマ方式:フルーティで親しみやすい、カジュアルに楽しめる
- 炭酸ガス注入方式:軽快で手軽、パーティやアウトドアにおすすめ
製法を知ると「今日は軽やかなプロセッコ」「特別な日はシャンパーニュ」といったように、シーンに合わせて選べるようになりますね。
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ラベルでわかる醸造方法の見分け方
スパークリングワインのラベルには、製法のヒントが隠されています。
- Méthode Traditionnelle / Metodo Classico / Traditional Method
→ トラディショナル方式 - Charmat / Metodo Martinotti
→ シャルマ方式 - Carbonated / Gazéifié
→ 炭酸ガス注入方式
ラベルの小さな文字をチェックするだけで、どんな泡かを見極められるのは面白いポイントです。
豆知識|なぜ瓶を回すの?
トラディショナル方式では、瓶を少しずつ傾けて澱を口に集める「ルミュアージュ」という工程があります。かつては職人が1日に数千本もの瓶を手で回していましたが、現在は機械による自動回転も普及しています。この細やかな作業が、澄んだ美しいスパークリングワインを生み出すのです。

瓶の口に溜めた澱部分(発酵した酵母の死骸のこと)を液体窒素につけて凍らせて、一気に引き抜くんだぞ!
現代ではオートマチック化が進んでいるけれど、本当に手間がかかるよね。
まとめ
スパークリングワインの泡は、決して偶然の産物ではなく、醸造家たちの知恵と技術の結晶です。
- 繊細で複雑な味わいを楽しむなら トラディショナル方式
- フレッシュでフルーティな気分の日は シャルマ方式
- 気軽な集まりには 炭酸ガス注入方式
こうした知識を押さえておくと、ラベルを見ただけで味わいをイメージでき、選ぶ楽しみが広がりますよ。
次回は、スパークリングワインの 「分類とスタイル」 を徹底解説。辛口・甘口の違いや色のバリエーション、泡の強さによる呼び方まで、知っておくと便利な基礎知識をご紹介します。

シャンパーニュの他にも色々な呼び名のスパークリングワインがあるから、楽しみにしててね!

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