第3回:スパークリングワインの分類とスタイル|甘辛度・色・泡の強さを知ろう

スパークリングワイン

スパークリングワインの多様なスタイル

スパークリングワインは「泡があるワイン」という点では共通していますが、そのスタイルは実に多彩です。

  • 甘口から辛口までの 甘辛度の違い
  • 白・ロゼ・赤といった 色の違い
  • 泡の強さによる 発泡度の違い

これらの分類を知ることで、自分の好みに合った1本を見つけやすくなり、料理とのペアリングもより楽しくなります。

シャムねこ
シャムねこ

今度はスパークリングワインの味わいについて学んでいこうね!

※本記事にはプロモーションが含まれています。


1. 甘辛度による分類

スパークリングワインのラベルには、糖分量に基づいた「甘辛度(ドサージュ)」の表示があります。これは飲んだときの味わいに直結する大切なポイントです。

主な表記と基準(EU規定)

  • Brut Nature / Brut Zéro(ブリュット・ナチュール)
    残糖 0〜3g/L → 最も辛口、キリッとドライ
  • Extra Brut(エクストラ・ブリュット)
    残糖 0〜6g/L → シャープで引き締まった味わい
  • Brut(ブリュット)
    残糖 0〜12g/L → 世界で最も一般的なスタイル。食事に合わせやすい
  • Extra Dry(エクストラ・ドライ)
    残糖 12〜17g/L → やや辛口、ほんのり甘みを感じる
  • Sec(セック)
    残糖 17〜32g/L → 中口、デザートにも合わせられる
  • Demi-Sec(ドゥミ・セック)
    残糖 32〜50g/L → 甘口、チーズやデザートと好相性
  • Doux(ドゥー)
    残糖 50g/L以上 → 極甘口、食後酒として楽しむ

初心者へのおすすめ

「Brut(ブリュット)」が最も万能で、和食から洋食まで幅広く合わせられます。甘口が好きな方やワイン初心者には「Demi-Sec」や「Sec」も飲みやすいでしょう。


2. 色による分類

スパークリングワインは白だけでなく、ロゼや赤のタイプも存在します。色の違いはブドウ品種や醸造法によって決まります。

ブラン・ド・ブラン(Blanc de Blancs)

  • 白ブドウのみを使用(シャンパーニュではシャルドネが代表)
  • 柑橘系の爽やかな酸味、エレガントなスタイル
  • 魚介料理や和食との相性抜群

ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noirs)

  • 黒ブドウ(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエなど)から造られる
  • 力強く、コクのある味わい
  • 肉料理やクリーミーなソースに合う

ロゼ・スパークリング

  • 黒ブドウの皮を短時間浸漬して色をつける方法、または赤ワインをブレンドする方法で造られる
  • フルーティで華やか、見た目も美しい
  • サーモン、鴨肉、フルーツサラダなどと好相性

赤のスパークリング

  • イタリアのランブルスコが代表例
  • フルーティで軽やか、ピザやパスタと好相性
  • 甘口タイプはデザートワインとしても人気
シャムねこ
シャムねこ

一言でスパークリングワインと言ってもこれだけの分類があるんだぞ!

最近は赤のスパークリングワインも増えて、食事とのペアリングもより多様化してきているよ。


3. 泡の強さによる分類

泡の強さもスパークリングワインの大切な要素です。

  • スプマンテ(Spumante)
    しっかりとした泡立ち。イタリアのスパークリングワイン全般の呼び方で、フル発泡タイプ。
  • フリッツァンテ(Frizzante)
    微発泡タイプ。こちらもイタリアでの呼び方で、口当たりが軽く、初心者におすすめ。
  • ペティヤン(Pétillant)
    フランス語で弱発泡を意味する。自然派ワインに多い。
  • ムスー(Mousseux)
    フランス語で「泡立つ」。Vin Mousseux(ヴァン・ムスー)がスパークリングワインという意味合いで一般的なスパークリングの総称。

泡が強いほど食中酒向きで、泡が穏やかなものは軽い前菜や単体で楽しむのに向いています。

シャムねこ
シャムねこ

紛らわしく感じるのは、各国語で色々な呼び方があるからなんだぞ!

スパークリングワイン=スプマンテ=ヴァン・ムスーという風に理解しておけばOKだよ。


4. 食事とのペアリング例

辛口(Brut, Extra Brut)

  • 寿司、刺身、天ぷらなど和食
  • 生牡蠣、白身魚、グリルチキン
  • 軽めのチーズ

中口〜やや甘口(Sec, Extra Dry)

  • エスニック料理(タイ、ベトナム)
  • 生ハム、ソーセージ
  • フルーツを使った前菜

甘口(Demi-Sec, Doux)

  • ケーキ、フルーツタルト、マカロン
  • フォアグラ
  • ブルーチーズ

色によるおすすめ

  • ブラン・ド・ブラン → 刺身、白身魚、野菜料理
  • ブラン・ド・ノワール → ローストポーク、鴨、茸料理
  • ロゼ → サーモン、寿司、鶏肉、いちごのデザート
  • 赤スパークリング → ピザ、ラザニア、BBQ
ソムリエが選んだスパークリングワインを見てみる


豆知識|「辛口なのにExtra Dry?」の謎

スパークリングワインの表記には少しややこしい点があります。たとえば「Extra Dry(エクストラ・ドライ)」は直訳すると「超辛口」ですが、実際にはやや甘口のカテゴリー。これは歴史的に甘口が主流だった時代に「より辛口」として登場したため、今の基準では逆に甘めに感じられるというわけです。

くろねこ
くろねこ

ワイン独特の表現だから、難しく考えずに慣れて覚えていくのが一番!


まとめ

スパークリングワインの分類は、

  • 甘辛度(Brut〜Doux)
  • 色(白・ロゼ・赤、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール)
  • 泡の強さ(スプマンテ、フリッツァンテなど)

という3つの視点で整理できます。

この知識を押さえておけば、ラベルを見て味わいを想像でき、料理とのペアリングもスムーズになります。次回は、世界各国の代表的なスパークリングワインを取り上げ、それぞれの特徴と楽しみ方を解説していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました