スパークリングワインの多様なスタイル
スパークリングワインは「泡があるワイン」という点では共通していますが、そのスタイルは実に多彩です。
- 甘口から辛口までの 甘辛度の違い
- 白・ロゼ・赤といった 色の違い
- 泡の強さによる 発泡度の違い
これらの分類を知ることで、自分の好みに合った1本を見つけやすくなり、料理とのペアリングもより楽しくなります。

今度はスパークリングワインの味わいについて学んでいこうね!
※本記事にはプロモーションが含まれています。
1. 甘辛度による分類
スパークリングワインのラベルには、糖分量に基づいた「甘辛度(ドサージュ)」の表示があります。これは飲んだときの味わいに直結する大切なポイントです。
主な表記と基準(EU規定)
- Brut Nature / Brut Zéro(ブリュット・ナチュール)
残糖 0〜3g/L → 最も辛口、キリッとドライ - Extra Brut(エクストラ・ブリュット)
残糖 0〜6g/L → シャープで引き締まった味わい - Brut(ブリュット)
残糖 0〜12g/L → 世界で最も一般的なスタイル。食事に合わせやすい - Extra Dry(エクストラ・ドライ)
残糖 12〜17g/L → やや辛口、ほんのり甘みを感じる - Sec(セック)
残糖 17〜32g/L → 中口、デザートにも合わせられる - Demi-Sec(ドゥミ・セック)
残糖 32〜50g/L → 甘口、チーズやデザートと好相性 - Doux(ドゥー)
残糖 50g/L以上 → 極甘口、食後酒として楽しむ
初心者へのおすすめ
「Brut(ブリュット)」が最も万能で、和食から洋食まで幅広く合わせられます。甘口が好きな方やワイン初心者には「Demi-Sec」や「Sec」も飲みやすいでしょう。
2. 色による分類
スパークリングワインは白だけでなく、ロゼや赤のタイプも存在します。色の違いはブドウ品種や醸造法によって決まります。
ブラン・ド・ブラン(Blanc de Blancs)
- 白ブドウのみを使用(シャンパーニュではシャルドネが代表)
- 柑橘系の爽やかな酸味、エレガントなスタイル
- 魚介料理や和食との相性抜群
ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noirs)
- 黒ブドウ(ピノ・ノワール、ピノ・ムニエなど)から造られる
- 力強く、コクのある味わい
- 肉料理やクリーミーなソースに合う
ロゼ・スパークリング
- 黒ブドウの皮を短時間浸漬して色をつける方法、または赤ワインをブレンドする方法で造られる
- フルーティで華やか、見た目も美しい
- サーモン、鴨肉、フルーツサラダなどと好相性
赤のスパークリング
- イタリアのランブルスコが代表例
- フルーティで軽やか、ピザやパスタと好相性
- 甘口タイプはデザートワインとしても人気

一言でスパークリングワインと言ってもこれだけの分類があるんだぞ!
最近は赤のスパークリングワインも増えて、食事とのペアリングもより多様化してきているよ。
3. 泡の強さによる分類
泡の強さもスパークリングワインの大切な要素です。
- スプマンテ(Spumante)
しっかりとした泡立ち。イタリアのスパークリングワイン全般の呼び方で、フル発泡タイプ。 - フリッツァンテ(Frizzante)
微発泡タイプ。こちらもイタリアでの呼び方で、口当たりが軽く、初心者におすすめ。 - ペティヤン(Pétillant)
フランス語で弱発泡を意味する。自然派ワインに多い。 - ムスー(Mousseux)
フランス語で「泡立つ」。Vin Mousseux(ヴァン・ムスー)がスパークリングワインという意味合いで一般的なスパークリングの総称。
泡が強いほど食中酒向きで、泡が穏やかなものは軽い前菜や単体で楽しむのに向いています。

紛らわしく感じるのは、各国語で色々な呼び方があるからなんだぞ!
スパークリングワイン=スプマンテ=ヴァン・ムスーという風に理解しておけばOKだよ。
4. 食事とのペアリング例
辛口(Brut, Extra Brut)
- 寿司、刺身、天ぷらなど和食
- 生牡蠣、白身魚、グリルチキン
- 軽めのチーズ
中口〜やや甘口(Sec, Extra Dry)
- エスニック料理(タイ、ベトナム)
- 生ハム、ソーセージ
- フルーツを使った前菜
甘口(Demi-Sec, Doux)
- ケーキ、フルーツタルト、マカロン
- フォアグラ
- ブルーチーズ
色によるおすすめ
- ブラン・ド・ブラン → 刺身、白身魚、野菜料理
- ブラン・ド・ノワール → ローストポーク、鴨、茸料理
- ロゼ → サーモン、寿司、鶏肉、いちごのデザート
- 赤スパークリング → ピザ、ラザニア、BBQ

豆知識|「辛口なのにExtra Dry?」の謎
スパークリングワインの表記には少しややこしい点があります。たとえば「Extra Dry(エクストラ・ドライ)」は直訳すると「超辛口」ですが、実際にはやや甘口のカテゴリー。これは歴史的に甘口が主流だった時代に「より辛口」として登場したため、今の基準では逆に甘めに感じられるというわけです。

ワイン独特の表現だから、難しく考えずに慣れて覚えていくのが一番!
まとめ
スパークリングワインの分類は、
- 甘辛度(Brut〜Doux)
- 色(白・ロゼ・赤、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール)
- 泡の強さ(スプマンテ、フリッツァンテなど)
という3つの視点で整理できます。
この知識を押さえておけば、ラベルを見て味わいを想像でき、料理とのペアリングもスムーズになります。次回は、世界各国の代表的なスパークリングワインを取り上げ、それぞれの特徴と楽しみ方を解説していきましょう。

コメント