第5回:イタリアワインの格付け制度と品質の見極め方 ― ラベルから学ぶワインの深層

ゆるっとワイン講座

ワインを選ぶときに、
ボトルのラベルに書かれた「DOC」「IGT」といった文字を見たことはありませんか?

それは、イタリアワインの「格付け」を示す大切なサインです。
しかし、その意味を正しく理解している人は意外と少ないもの。

今回は、イタリアワインの格付け制度をやさしく解説しながら、
“ラベルから見えてくる品質の違い”を紐解いていきましょう。

くろねこ
くろねこ

イタリアワインにも独自の格付けがあって、ラベルにはたくさんの情報が詰まっているんだ。
ワイン選びに役立つ情報が隠れているから、一緒に読み解いていこうね!

※本記事にはプロモーションが含まれています。


🍇 イタリアの格付け制度とは?

イタリアでは、ワインの品質や産地を保証するために
原産地呼称制度(Denominazione di Origine) が設けられています。

もともとはフランスの「AOC(原産地統制呼称)」をモデルにしており、
ワインの産地・使用品種・醸造方法などを厳しく定めることで、
“その土地ならではの味わい”を守る仕組みです。


🏷 4つのカテゴリーを理解しよう

イタリアワインは、品質と地域の厳格さに応じて
大きく次の4段階に分類されています。

格付け表記特徴
最上級DOCG原産地統制保証付きワイン。政府の認定試験を通過した高品質ワイン。
上級DOC原産地統制ワイン。地域・品種・製法が法律で定められている。
中級IGT地域特定ワイン。比較的自由度が高く、個性的なワインも多い。
一般Vino(ヴィーノ)テーブルワイン。地域や品種の表示は基本的になし。

🥇 DOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)

「統制保証原産地呼称ワイン」。
つまり、国がその品質を保証する最上位クラスです。

DOC規定に加え、政府機関による官能検査(味・香りのチェック)を通過する必要があり、
ボトルネックにはシリアルナンバー入りの政府認証シールが貼られます。

代表的なDOCGワイン:

  • バローロ(ピエモンテ州)
  • キアンティ・クラッシコ(トスカーナ州)
  • タウラージ(カンパーニア州)
  • ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(トスカーナ州)

これらはいずれも、長い伝統と高い品質を誇るワインばかり。
熟成ポテンシャルがあり、ギフトや特別な日の1本にも最適です。

くろねこ
くろねこ

ブルネロやバローロは本当に特別な印象のあるワインなんだ。
最近は安価なものも出回っているけれど、一度は確かな造り手のものを試して欲しいワインだよ!

しろねこ
しろねこ

そうね。せっかくならワインに合ったグラスも用意しておくとより一層感動が増すわよ。
ブルネロやキャンティはボルドータイプのグラス、バローロやバルバレスコはブルゴーニュタイプのグラスと併用できるわ!

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🏅 DOC(Denominazione di Origine Controllata)

「統制原産地呼称ワイン」。
ブドウの産地・使用品種・収穫量・アルコール度数など、
細かく定められた基準を満たす必要があります。

DOCワインは、その土地の特徴をしっかりと感じられるものが多く、
“イタリアらしさ”を体験する最初の一歩にぴったりです。

代表的なDOCワイン:

  • ソアヴェ(ヴェネト州)
  • モンテプルチアーノ・ダブルッツォ(アブルッツォ州)
  • ネロ・ダーヴォラ(シチリア州)
  • プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア(プーリア州)


🍷 IGT(Indicazione Geografica Tipica)

「地域特定ワイン」。
1992年に導入された比較的新しい格付けです。

DOCやDOCGに比べて規制がゆるく、
ブドウ品種や醸造方法の自由度が高いのが特徴。

この自由さが、“スーパートスカーナ”のような革新的なワインを生み出しました。
国際品種(カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど)と土着品種を組み合わせ、
既存の枠にとらわれない高品質ワインが多数登場しています。

代表的なIGTワイン:

  • トスカーナIGT(スーパートスカーナの多くが該当)
  • シチリアIGT
  • プーリアIGT

IGTは、まさに新しい時代のイタリアワインを象徴するカテゴリーです。


🍾 Vino(ヴィーノ)

かつて「Vino da Tavola(テーブルワイン)」と呼ばれていた最も基本的なカテゴリー。
産地や品種の表示義務はなく、カジュアルに楽しめるデイリーワインが中心です。

ただし、最近ではあえて格付けを申請せず、
“自由な発想で造るナチュラルワイン”として評価を受けるケースも増えています。


📜 ラベルの読み方をマスターしよう

ワインのラベルには、そのワインの“個性の手がかり”がたくさん隠れています。
代表的な表記を知っておくと、ボトル選びがぐっと楽になります。

表記意味
Denominazione di Origine Controllata (e Garantita)格付け。DOCまたはDOCGを示す。
Classico(クラッシコ)伝統的な中心エリアで造られたワイン。より高品質。
Superiore(スペリオーレ)アルコール度数が高く、熟成期間が長い上級タイプ。
Riserva(リゼルヴァ)長期熟成タイプ。高品質ワインにのみ使用可能。
Annata(アナータ)ヴィンテージ(収穫年)。例:2020。
Prodotto da…生産者名。家族経営のワイナリーが多く、個性の鍵になる。

ラベルをじっくり読むことで、
“どんな味わいなのか”を想像する楽しみが生まれます。


🏡 格付けと「美味しさ」は必ずしも比例しない

ここで覚えておきたいのは、
格付け=美味しさの絶対基準ではないということ。

DOCGワインは確かに高品質ですが、
IGTやDOCにも“驚くほど美味しいワイン”がたくさんあります。

なぜなら、イタリアはブドウの多様性と生産者の情熱が豊かで、
格付けの枠を超えて挑戦する造り手が多いからです。

たとえば、IGTのスーパートスカーナは、
格付け上は中級でも、実際の価格や評価はDOCG以上。

つまり、格付けはあくまで“目安”。
自分の好みに合うワインを見つける手助けとして活用しましょう。

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🕯️ まとめ:ラベルは、造り手からのメッセージ

イタリアワインのラベルは、
その土地の歴史、文化、造り手の誇りが刻まれた“名刺”のようなもの。

格付け制度を理解すれば、
ただのデザインが「情報の宝庫」に変わります。

次にボトルを手に取るときは、
ぜひラベルの文字を一つひとつ眺めてみてください。
きっとそこには、あなた好みのワインへのヒントが隠れていますよ。

くろねこ
くろねこ

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