ワインの世界に興味を持ち始めると、「日本ワインって外国産とどう違うの?」「国産ワインと何が違うの?」といった疑問を感じる方が多いものです。
そして、すでにワインが好きな愛好家の方からも「最近、日本ワインがすごく美味しくなっている」と話題に上がることが増えてきました。
そこで今回は、日本ワインの定義・魅力・歴史・特徴を、ワインを学び始めたばかりの方にもわかりやすく解説します。
これから日本ワインをもっと楽しむための土台作りとして、まずは基本をしっかり押さえていきましょう。

世界の主要産地と比べるとまだまだ発展途上の日本ワイン。
今まで手にとってみたことがない人にもぜひ読んでみてほしいな!
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■ 日本ワインとは? 国産ワインとの違い
まず最初に、絶対に知っておきたいのが「日本ワイン」と「国産ワイン」の違いです。
● 日本ワインの定義
日本国内で栽培されたぶどうのみを使用し、日本国内で醸造されたワインのこと。
つまり、畑からワイナリーまで、すべてが日本の土地で完結しているワインです。
ワイン法の整備に伴い、ラベル表示もより透明化され、消費者が安心して選べるようになりました。
● 一方の「国産ワイン」とは
海外から輸入したぶどう果汁やワインを国内で加工して造ったものも含まれます。
価格は手軽ですが、「日本で造り、日本のぶどうを使ったワイン」とは区別されています。
最近では、ワイン愛好家の間で「日本ワイン」というカテゴリーが確立され、国内外で高い評価を得るようになりました。

スーパーやコンビニで見かけるワインの中にも「国産ワイン」はたくさんあるよ!
日本でワイン用ぶどうの栽培が本格化される前はこのスタイルが主流だったんだ。
■ いま、日本ワインが注目されている理由
● ① 気候変動が“追い風”になっている
従来は「日本はワイン造りに向かない」と言われることもありましたが、近年はブドウ栽培に適した地域が増加。
特に北海道や長野では、世界的な銘醸地と条件が似てきているとも言われています。
● ② ワイン造りの技術が進化
若い造り手の台頭、海外で修行した醸造家の帰国、研究機関との連携などにより、日本ワインはこの10年で驚くほど品質が向上しました。
● ③ 国際コンクールでの受賞
甲州、シャルドネ、メルロ、ピノ・ノワールといった品種で世界的な賞を獲得し、“日本のワイン=繊細で美しい”というイメージが定着しつつあります。

「甲州」という白ワイン用品種は特に世界からの評価が高いんだよ。
● ④ 日本の食卓に合いやすい
和食をはじめ、出汁を使った料理や醤油・味噌ベースの味付けに、自然に寄り添うワインが多いのも魅力です。
■ 日本ワインの味わいの特徴
では、日本のワインにはどんな味わいの傾向があるのでしょうか。
もちろんワイナリー・産地・品種によって大きく異なりますが、全体の傾向としては次のようにまとめられます。
● 清涼感のある酸
暑すぎない気候ゆえ、酸が綺麗に残りやすいのが日本ワインの特徴。
● アルコール度数が控えめ
食事に寄り添いやすく、飲み疲れしにくい点も魅力。
● 繊細で上品な香り
日本の気候で育つぶどうは、派手な果実味より「柔らかい香り・澄んだ味わい」になりやすいです。

日本らしい奥ゆかしさを感じるようなワインが多いのかしら。
これは試してみるしかないわね!
● 和食との相性の良さ
素材の繊細さを壊さないため、刺身や鍋、出汁の効いた料理との相性が抜群です。
■ 日本ワインを語るうえで欠かせない主要品種
日本ワインの代表的な品種を簡単に押さえておきましょう。
後の回でさらに深掘りします。
● 甲州(こうしゅう)
日本固有の白ぶどうで、山梨を中心に栽培。
柑橘の香り、柔らかな酸、すっきりとした味わいが特徴。
和食との相性の良さは世界的にも認められています。
● マスカット・ベーリーA
赤ワイン用の日本固有品種。
イチゴやチェリーのような香りがあり、軽やかで優しいタンニンが特徴。
日常の食卓や少し甘めのタレとも合いやすい万能タイプです。
● シャルドネ・メルロ・ピノ・ノワール
世界品種の中でも、日本の気候と特に相性が良いとされる3品種。
長野、北海道、山形などで高品質なワインが増えています。
■ おおまかな主要産地
日本ワインは北海道から九州まで全国で造られています。
ここではまず全体のイメージをつかんでおきましょう。
● 北海道
寒冷地ならではの酸の美しさ。特に余市・空知が注目産地。
ピノ・ノワールやシャルドネ、ケルナーなどが人気。
● 東北(山形・岩手など)
デラウェアやシャルドネ、メルロなどの栽培が盛ん。
爽やかで透明感のあるスタイル。
● 長野
標高の高い土地が多く、昼夜の寒暖差が大きい。
シャルドネ・メルロ・カベルネフランなど、世界レベルのワインを生み出す地域。
● 山梨
日本ワインの心臓部。
甲州・マスカット・ベーリーAを語る上で外せない県。
● その他地域(関西・中国・九州)
広島、岡山、大分、熊本など、新しいワイナリーが続々登場。
地域性を活かしたワイン造りが魅力。
■ 日本ワインの魅力は「ストーリー」にある
世界中で造られるワインの中で、日本ワインが愛される理由は「味わい」だけではありません。
- 日本の気候や風土
- 農家とワイナリーの距離の近さ
- 丁寧な栽培と手仕事
- 地域ごとに異なる考え方や文化
- 若い造り手の挑戦
ワインを飲むほどに、その背景にあるストーリーを感じ取ることができます。
初心者でも「産地」「品種」「造り手」を少し意識するだけで、日本ワインはぐっと面白くなります。
今回の日本ワイン解説シリーズでは、そんな日本ワインの魅力を“難しすぎず、でも深く”感じられるように順を追って解説していきますよ。
■ まとめ:まずは日本ワインの全体像を知ろう
日本ワインは、ここ10年で世界が注目する存在へと成長しました。
その背景には、造り手の情熱や技術革新、そして日本の繊細な食文化に寄り添う味わいがあるのです。
これから第2回では、まず「北海道・東北」の主要産地を詳しく解説していきます。
寒冷地だからこそ生まれる味わいの個性や、注目のぶどう品種について深掘りしていきますので、ぜひ次回も楽しみにしていてください。

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